誰に向かって
異を唱えるか
お上から
カミナリの声がして
叱られて
項垂れて
ぶつぶつ文 ....
膨らむ桃色の空を背に
途切れる走査線
建てこんだ古い家屋のすき間を
心地よい轟音にまかせて ....
あの暗闇に落ちていく脱皮を思いながら、
亡くし物を探すふりをしていたら、
ついに目的を見失って、 ....
路地
曲がり角や
塀の隙間
溢れて、揺れて
透明な線を残す
そんな隙間に隠れて
....
みかさをください
クロレヨの上から
こっそり手わたしで
安らかな生活ができますように
み ....
窓から広がる緑の海
この風に揺れる海を身近に
鏡のむこうのわたしは歳を重ねてきた
年を経るごと ....
木かげに つむじ風の
セーブポイントが ひらいている
冒険のつづきを おもいだしたが
もうしば ....
親父に関するエッセイを書こうと思ってやめた
だってお前の声が聞きたいから
何時まで繰り返せば ....
今はその坂の上はレンガ造りの外壁が少し在るだけで
伸び放題の草木が絡まり合い
今はその場所に ....
君の才能は
君が生まれもったものではなく
君が習得してきたものでもない
君の才能は
君の ....
虫を焼き殺すあの青い光のアレは
なんて名前だったか
誘うとかそういう漢字だったと思う
....
波風に吹かれて
走り出したくなったり
急に海に叫びたくなったり
そんな青い春です
あれか ....
チーカマ食って
ビールが美味い
あコンタクト外れた
すぐつける
一人酒
手酌酒
演歌 ....
鳴きわめく油蝉を捕まへて
羽根をむしり取り
脚をもぎり取り
口の中に放り込む
食感は花林 ....
どれだけの言葉を飲み込んで
君は生まれていくのだろう
統制のとれた四角い部屋に
白い壁、のよう ....
アシカの着ぐるみは、
足から着なさい。
と、
園長先生がいいま ....
暑いですね
温暖化の夏だそうですが
どこまで暑くなるんでしょうね
頭を使うと脳も発熱する ....
また夏がめぐり来て
空も緑も色深まり
光と影が幻のようにあざやかに世界を象っています
夏の ....
とべない君の
飛び箱になりたい
夏のあいだの
君の上履きになりたい
君のすくうプリンの
....
高くそびえる木の下に
新たな生が登り出し
土を見下ろす暗がりが
長い時間を物語る
低く広 ....
パンダの毛皮のコートが欲しいの
と、彼女は言い、おれは上野動物園を襲撃した
帰りは
おれ ....
お帰りですか、と
聞くとその{ルビ女=ひと}は
ええ、と
小さく頷いて
穏やかな微笑をうかべ ....
残ったものは
空洞の痛み
何もないことの
罪悪感
罪悪感は
免罪符にもならない ....
鬼の葬列とは、
かくも美しいものか。
日の沈む、
餓えた ....
あなたのなかの 百とんで八つ
ぜんぶ愛してます
だけれども ときおりぼくは
あ ....
雨上がりの匂いを含む
週末のような感情で
そっと手を伏せて
包んでいて下さい
頬を紅色に ....
いちめんに 苔のはえた石の門のなかへ
うたたねが さそうように駆けていって
わたしをふりかえ ....
「言える嘘と、言えない嘘があります」
「とっくに知っています」
「愛してはないです」
「ええ、 ....
火を熾した後
喧騒の後の静寂
虫の音
夏の夜風
心地よく通りすぎて
汗と食べ物と酒の香りが ....
いつしか、かの御心に任せてみたかった
雄々しくわたしを嘘に導くであろう
そんな気が ....
ビッ
ホーン岬の戯け者
か弱い子供をいたぶって
テレビのような笛を吹く
ビビビのビビビと ....
尽きそうで
尽きそうで
時に思い出したように
夜を縫う
置き去りの夏に迷う
この心 ....
鯨の顔して蝉が鳴く
今日はよいお日和と
声を限りに叫んでる
みんみんみんみん
つくつくほ ....
眼を瞑ると
瞼の裏に映る虹
私だけの小さな虹
泣いたら負ける
負けたら死ぬと
駆けながら思う
空は死んだように青く
水色の冷たい光が落 ....
家を出て
駅まで歩いて
地下鉄に乗って
んで、改札抜けたら
ふ、
と全部イヤになっ ....
北の外れの港には
空を飛べない かもめが一羽
哭けない女を哀れむように
疲れた翼 休めています ....
生暖かい夜の隙間に
逃げるように滑りこんで
私は膝を抱えて
じっと息を潜める
爪先のあた ....
蒼く枯れるまで傍にいて下さい
たなびく煙に ほそめるひとみは
可憐な強さを{ルビ匿=かくま} ....
絶え間無く続く自然の息吹
都会の欲望と興奮、喧騒
蜘蛛の巣のように張り巡らされた
....
風鈴が鳴く
バックの隅に
押し込められて
風が無いのに
りんりんと
微かな震え
....
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