一行詩(十編)/板谷みきょう
 
負とか正とか比べることをしない無心の世界

この世の朝に それでいいのか 賽の河原に集まり来たる

赤とんぼ 飛び交う空にキリギリス鳴く

何事にも屈しない強靭な心が分かち合う感動を呼ぶ

先の見えない人生に 詰まる処は死の彷徨

血反吐はく想いで唄うに 死するもなし 生くるもなし

感慨に許せば途切れ浸っている嘘と本当の狭間

子供の背ほどに雪積るはずの北の都の街外れ

囁きは淡く美しく雪の舞う音の如くに

壁になって立ちはだかり阻んで譲らず不動となろう
   グループ"一行詩"
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