記憶の断片小説・ショートシネマ 「ロイド」/虹村 凌
ドアの前のシャッター下ろしたけど、いきなりガンガン叩き出すかも知れない。」
と、少し青い顔で僕を見ていた。彼女は、父親を恐れていた。
ファザーコンプレックスアルカロイド。
僕は、素直に靴を隠した。
突然に彼女の父親が訪問したら、僕とライチで風呂場に逃げ込む事にした。
女の子が風呂に入っているとわかれば、さすがにそこまでは覗かないだろうと、
そういう結論が出た。
結局、僕らはそんな事をせずに済んだのだけれど、
もし彼女の父親が尋ねていたら、僕は半殺しにされていただろうと思う。
僕は女の子二人に挟まれて、ソファに座っていた。
ライチが僕をいじりだした。
マゾヒスティックな
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