花びらは美しく舞い落ちる/ベンジャミン
 
そして穏やかに日は暮れる

夕方の公園には
足跡だけが残されている

子供たちや
その親の
杖をついた跡もあるから
お年寄りもいたのだろう

桜の枝が手をのばすベンチの下で
そんな足跡をたどれば
さらに多くの
花びらが点描画のように続いている

先に落ちたものは
もうすでにその色を失いかけていて
それをかばうように
また別の
花びらが覆いかぶさっている

子供の足跡は
親の足跡に寄り添っていて

その後を追い駆けるように
枝を離れた花びらが

目の前を通り過ぎるその
一瞬に

春はとどまっている

   
   グループ"タイトル長いー詩"
   Point(6)