花びらは美しく舞い落ちる/ベンジャミン
そして穏やかに日は暮れる
夕方の公園には
足跡だけが残されている
子供たちや
その親の
杖をついた跡もあるから
お年寄りもいたのだろう
桜の枝が手をのばすベンチの下で
そんな足跡をたどれば
さらに多くの
花びらが点描画のように続いている
先に落ちたものは
もうすでにその色を失いかけていて
それをかばうように
また別の
花びらが覆いかぶさっている
子供の足跡は
親の足跡に寄り添っていて
その後を追い駆けるように
枝を離れた花びらが
目の前を通り過ぎるその
一瞬に
春はとどまっている
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