雨が降るからこそ色を増す世界があるから/ベンジャミン
どんなに悲しいことがあっても
僕は生きてゆけそうです
昨日まで降り続いた雨は止み
久しぶりの陽射しをうけた草花が
深呼吸をするみたいに
みな空を仰いでいました
光と水と二酸化炭素から
植物は成長するためのエネルギーをつくるそうです
きれいな花が咲くためには
晴天ばかりでなく雨の日も必要で
そして僕が
こうして息をすることも
欠かせないのだと思いました
すっかり気落ちしてしまったとき
びしょ濡れで歩き続けても
まるで雨でも降りそうな重たい空の下で
道端の草花に
たとえばため息一つ吹きかけたとして
やがてそうやって色づいた花に
救われる人もいるのだと
そんな雨上がりには
花はいっそうきれいに見えたりするのです
前 次 グループ"タイトル長いー詩"
編 削 Point(8)