「万華鏡」 【やったよ!100行連詩】/ベンジャミン
だけ青い鳥に似ていた
広げた羽に浮かび上がる光の群は
万華鏡のようにゆらめいて
夢のような幸せを描こうとするけれど
手を伸ばそうとするそばから薄れて
まるで何もなかったかのように
日常へとかえってゆく
そこにはもう一人のあなたが
鏡の中の静かな微笑のように
嘘を覆い隠そうとしているれど
その口元からこぼれだすいくつもの欠片が
言葉になりきれずに涙にかわる
一粒でガラスは静かに溶け始め
閉ざされた部屋にわずかな隙間をつくり
張り詰めていた空気が流れ出していく一瞬
解き放たれた色はあらゆるものに同化しながら
ついえた流星のように降り注ぐ
現実と夢の距離を縮めるようにし
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