「万華鏡」  【やったよ!100行連詩】/ベンジャミン
 
にして
たぐる糸の細さに息を殺す王女のように
怯えながらも凛然と見つめている
その肌のように白い帆が風をまとうのを
見守る海のような眼差しで
冷たい王冠に身を震わせる
あなたの剣は天をつらぬこうと掲げられる
切り裂かれた空から落ちた星が
あの万華鏡のように視界を埋め尽くすとき
音をたてて水面に落ちる色は溶けて
過去を飲み込もうとするけれど
己の尾を咥えた蛇のように
すべてを打ち消すことはできない

王国が忘れ去られた後も糸は続いて
その糸にからむように影は集い
静かに静かに飛び立ってゆく
青色を取り戻そうと空に向かう
はばたきの音は遠い海鳴り
明日を呼び覚まそ
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