記憶の断片小説続編・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
 
が当たって、天上に反射する。
懇願するように舞子を抱いた俺と、見下すかの用に、俺に組み敷かれた舞子。
繰り返す、何よりも空っぽな「愛してる」と言う台詞、
求めたキスは宙を切って、それを俺は拒絶だと思った。
初めてのセックスは、思ったよりもあっけなくて、
結局は最後までする事が出来なかった。
幻想も何もかも打ち砕かれて、残されたのは現実だけ。
一緒になんてなれないし、特別に綺麗でもないし、世界が変わる訳でもない。
彼女は口でしてくれた。覚えているのは、妖艶な姿だけ。
醜い芋虫が二匹、遮光カーテンの向こう側で戯れる。
この時、私が懇願する最後に吐いた台詞は、
今でも私は後悔してい
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