記憶の断片小説・ロードムービー「卒業」/虹村 凌
ける。
電話カードが切れたら、買うまでチャット。
一週間であれだけの悪口、罵り言葉を吐いたのは、
今までに一回も無いし、これからも無いだろう。
そんな風に、俺達は最後の最後まで傷つけあっていた訳だ。
冗談みたいな話をすれば、喧嘩中も、
「おい、そっち夜中だろ。明日学校あるんじゃないのか?」
等と心配してしまう俺がいた事だ。
結局、俺と舞子では話がつかず、嘉人がメールを寄越してきたのだった。
脅迫文にも近い、異様に敵意と挑発の意を込めた事がありありと伺えるメールで、
その時の俺は、確かに心が震えるような快感を得たのだ。
「てめぇアメリカにいるからってイイ気になってんじゃ
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