荒川洋治を読んでみる(六) 『高所の毬』/角田寿星
ツルファン(一般にはトルファンと呼ばれています)盆地もまた、東トルキスタン(新彊ウイグル自治区)内にあります。この区域のシルクロードは砂漠やら山やらがあるため、敦煌付近から三つのルートに分れていて、そのうち、ウルムチやジョンガル盆地に向かうルートが、前の詩に登場した天山北路、そしてトルファンを経由してその南のタリム盆地を通るルートが天山南路でした。
まあ、こう考えると、『高所の毬』は『ウイグル自治区』と対になる位置を占めているんでしょう。あるいは『ながあめの自治区を』からの四部作と考えてもいい。
それにしても、ここら付近の地形のダイナミズムには驚かされます。天山山脈は、7000メートル級(
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