空を飛ぶ夢/ajisai
 
月明かりの眩しい夜
少年は天使に出会った
天使は白いワンピースを着た少女で
淡い空色の瞳に純白の翼が生えていた

少年は天使に尋ねる
「どうして翼が生えているの。」
「神様のお使いをする為に翼はあるのよ。」
天使は優しく答える
「じゃあ僕も神様のお使いをする。」
少年は真っ直ぐに天使の目を見て言った
「生まれついての運命で決まっているの
 だから無理なのよ。」
天使は穏やかな口調で少年を諭した
「だから僕には翼もないし
 お空も飛べないの。」
「そう、仕方のないことなのよ」
天使は少年の両手を優しく握った
「いや、僕はきっとお空を飛んでみせるよ。」
少年は瞳を
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  グループ"翼シリーズ"
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