異形の詩歴書 14歳夏/佐々宝砂
た。それはリメリックという五行の定型詩で、原語だとがちがちに韻を踏んでいるらしかった。日本でいうと川柳にあたるような、ユーモアを主題にしたものが多い詩形だという。エドワード・リアの書いたリメリックが有名だが、どれも死にそうなほどくだらなくてナンセンス。まあ、世の中にはこういう詩もある。SF界にはけっこうリメリック愛好者が多かったらしい。かのアイザック・アシモフもリメリックを書いていたそうな。SFリメリックは、お笑いとしてはやや弱い。SFとしてはバカバカしい。詩としては貧弱だ。だが、ともあれ、それはSFで、しかも詩だったので、私の記憶にとどまったのである。それは確かなことだ。
とはいえ私は
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