異形の詩歴書 14歳夏/佐々宝砂
「SFの黄金時代は12歳だ」という言葉がある。つまり、SFが最も面白かった時代は20年代でも60年代でもなくて、読者本人が12歳だったころ、とゆーことなのである。そんなものだろうな、と私は思う。しかし私にとってのSF黄金時代は14歳だった。その夏、私は押入の奥にSFマガジンのバックナンバーの山を発見し、夏休み中かけてそれを読んだ。古いSFマガジンは、少数者のひがみ根性と選民意識がまるだしで、けれど奇妙に熱くて、すでにマイノリティーとしての自覚を持っていた私をひきつけた。
古い古いSFマガジンの中にも、詩はひっそりと眠っていた。たぶん、1960年代はじめのSFマガジンに掲載されていたもの
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