異形の詩歴書 14歳秋/佐々宝砂
 
ちでもいい。この詩がなくても、私は立派に生きてゆける。

 見せかけの強烈さと内容の烈しさは、比例しない。電波系のコトバは、ときどき私にとってひどく退屈だ。本当に過激で危険なものは、狂気じゃない。血飛沫じゃない。セックスじゃない。アブノーマル・セックスじゃない。SMでもなければ、人肉嗜食でもない。そのたぐいのものなど、私はすでに読み厭きた。しかし、見せかけの強烈さをそれほど持たない「人力飛行機のための演説草案」と「事物のフォークロア」と「消されたものが存在する」の3つの詩は、私に今なお強い引力を発揮する。はじめて出逢った14歳のときよりも、もしかしたら、もっともっと強い引力で。

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