背後に
人は身体をこわばらせる
何がよぎったのか
誰があとをつけているのか
この暗闇の中では
振り返る勇気はなく
確かめるすべもなく
人は
いくつもの時を越えて
人類の始まりの歌を
歌う
あれはいつのことだったか
君は獣に追われ
君は聴き耳をたて
君は炎の側で安らぎ
それはすべてこの全時間の半分を覆う
夜の間に起こったこと
あれはいつのことだったか
日は隠れ
星は瞬き
そんな夜という名の領域での
繰り返す生活の一部
誰もが日々越えなければならない
広大な版図
時には意を決して
漆黒の中へ踏みこまなければな
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