私は何故年末に紅白ではなく第九を観てしまうのか。/和泉 誠
にアレンジされたエヴァに魅せられてしまいました。
そして第九に出会ったとき、なんというか、
背筋がゾクゾクして全身に鳥肌が立ちました。
ただその荘厳な重圧感に押しつぶされてしまった感じでした。
そのしばらく後に私はもう一度第九に出会います。
問題作ばかりを発表するので有名なスタンリーキューブリックという
監督が作った「時計仕掛けのオレンジ」という映画があります。
その作品の中では、人の生きる喜びを歌ったはずの第九が
主人公アレックスに地獄の苦しみを与えるという
強烈な皮肉のキーアイテムとして使われていました。
それを見て、なんてかっこいいんだ!と酔いしれてしまいました。
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