祝祭/岡部淳太郎
 

い舗道を、めくって雲に、かける橋とするように、喧騒
と静寂の、あいだをつなぐ者となりたい、と、どこの誰
が夢見たのか、すべては足りず、すべての人は連れ去ら
れて、眠りながら笑い、それぞれに浅い素肌をさらして
いて、あるものは、ただここにあるという、それだけで、

あるいは、その気持ちにふれて、気がふれて、そよそよ
と、なでている、だけのような気にさせられて、涙はな
い、雨もふらない、かたまったままで流れる、針と円の
日常の、上をすべらないように歩いて、またひとつ、葉
が落ちる、心の剥がれ落ちた、かたち、をしてあらわれ
る、あの丘のただいっぽんの木は、それぞれの、ただひ

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