あの日……/大町綾音
)……そんな話を聞いた私はますます彼女と疎遠になり、もっとも、彼女についてはここには書けないような一面もあったので(下手を打ったら逮捕されていたかも)そんな流れが私にとっては自然だったのかもしれない。
そんなこんなで「ある日」の私に戻れば、私はA書房のなかでいくつかの雑誌を手に取り……。
そのうちの1冊は何年かぶりで購入するファッション誌。他は、この街の食の情報誌。「S市のおすすめラーメン店◯◯選」といったもの。ただ、「一冊ですべてが分かる」といった本がそうそうあるわけでもなく、街の区ごとに4軒ほど、合計で100軒ほどのお店の解説が書かれているものを2冊ほど購入した。
足早に会計を
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