あの日……/大町綾音
 
ししょうがあらから。
 A……ちゃんは、まあ関東地方の住人で、今は私との接点もなく、最後に話した時にはキャバレーのホステスの仕事をしていた。
 私が東京に住んでいた時には、どこかの駅で待ち合わせればなんとか会える、くらいの距離感で、A……ちゃんが電車が苦手だというので、彼女はいつでも車で来ていた。
 そのころ、私はA……ちゃんから「友だちは◯◯ちゃんだけで良い」と、言われていたけれど、私にとってはそれは少し重くって、何気ないやり取りをするあいだにも、「私は今は人間にあまり興味がないから」などと嘯いていた。
 A……ちゃんは、「人間にあまり興味がない」というのを「人間以外のなにか」……つまり
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