完全なる独り言/虹村 凌
電話BOX、チカチカの街灯。
若人は、美しい。風がなくても、自分で風を起こす術を知っているのだから。
だから若人は、青い春の真ん中で笑っているのだ。
でも、照りつける太陽は、恋をする人の敵なのです。
あの毒々しく照り付ける太陽は、意識を断絶させる、悪なのです。
でも、夜になり、月が見えると、彼らは夜を支配できるのです。
夜の闇も、浮かび上がる月も、電話BOXの明かりも、チカチカの街灯も。
全てを彼らは支配できるのです。全てが、彼らを引き立てるのです。
最近、風呂屋を見る機会が少なくなった。
駅から、あの長い煙突が見えたりすると、嬉しくなってしまう。
今じゃ内風呂があ
[次のページ]
前 次 グループ"自由人の狂想曲"
編 削 Point(3)