完全なる独り言/虹村 凌
 
たので、吹かしていた。
いつの間にか、吸い込めるようになっていた。



照りつける太陽は、いわずもがな若人のモノである。
照りつける太陽は、恋をする人の敵なのです。
深い闇やそれに浮かぶ月、電話BOXの明かりは若人の手がかりである。
深い闇やそれに浮かぶ月、電話BOXの明かりは恋人達の引き立て役なのです。

照りつける太陽の下で、若人は歌い、踊り、物事を知るのである。
息を弾ませ、脇腹を痛めつつ走る事。手を取り合って喜ぶ事。
裏切る事、裏切られる事。胸を叩く痛み。
そして、陽が暮れて、闇が世界を覆う時に、彼らは冒険に出るのです。
手がかりになるのは、薄い月明かり、電話
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