破壊的衝動による狂乱の独白/虹村 凌
 
見幸福に見えるからこそ、不安が生まれるのかも知れない。
実際に、俺はそうであった。

家族がいて、学校に行けて、毎日美味い飯が食えて、
安心して眠る場所があって、心地よく目覚める朝がある。
明日に困る事も無く、楽しい毎日がある。
それで、俺には何の不満があったんだろう。
そこに不安定を求めるのは、ただの無いものねだりだろう。

俺が詩を書くようになったのは、高校2年3年のニ年間、
祖母と暮らすようになってからだった。
そこには、俺の求めた、微かな不安定さがあった。
同時に、その不安定さが、俺を苦しませた。
俺は、俺自身が不安定さを求めた事すら呪った。
何故、俺がこんな目
[次のページ]
   グループ"自由人の狂想曲"
   Point(7)