俺は歩いてゆく。破滅に向かって。/虹村 凌
に。
愛して死ねたんだっていう為に。
俺は、俺の死を死にたい。
俺の恐怖は、それを考える事が出来ないまま。
死んでしまう事なんだ。
怯えてる、全てに。
怯えている。
世界の終わりがあるのなら。
俺はそれには怯えないだろう。
それでも。
愛に終わりがあるのなら。
俺は、怯え続けるのだろう。
きっと、正直になれない。
嘘をついてしまう。
ねぇ、俺は嘘をついていたさ。
特別でいたかったから。
嘘を吐いたよ。
愛の終わりに怯えながら死ぬんなら。
シドとナンシーみたいな愛のままで。
我侭、俺はその中で死にたい。
次なんて無いんだ、俺には。
そんな中で、俺は俺
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