夭折(三篇)/岡部淳太郎
 

この空でさえ昏いのだから
人の心など
限りのあるその心の中など
どれだけ昏いことだろうか

――太陽は成長を止めたよ
そんな声を聞いた少年は
それは僕だった
――海は涸れ果てたよ
そんな声を聞いた少女は
それは君だった

だが成長しないことが
まっすぐ伸びる望みが絶たれることが
そのまままっすぐ
死へとつながってゆくものなのだろうか

昏い昼
昏い日常
広がる どこまでも広く 広がる
それが人の心であるはずだった
だが ある心は限りあるままで
無明の
いのちの昏さへと沈んでいった

あの声を聞いてしまって
僕も危うくいきそうになった
君は い
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