批評祭参加作品■詩のない批評:「反射熱」へ宛てて/2TO
、”りふれくと”という現象として出現するのである。
「向けられた眼差しの距離」が「問う−問われる」存在との間にある。では「鏡」に映るものにとっての距離とは何だろうか?宮川淳の言うように「距離は見ることの可能性」であるならば、鏡は「映った像」と「映るもの」のどちらにも属していない。鏡の表面には距離などないからだ。だからこそ、鏡は<見ないことの不可能性>であり、その魅惑だといったのである。「なぜなら、魅惑とはまさしくわれわれから見ることをやめる可能性を奪い去るものにほかならないのだから」。また、彼は鏡像とその対象との間にそのずれ「自己同一性の間隙」を感じ、「自己同一性の間隙からのある非人称の出現」
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