不如意な恐ろしさ(アスパラガスさん讃2)/渡邉建志
かを、知っていそうな人だった。
ちなみ
朝がらくたを拾うわたし
おおきな車に追われて走る
きみの声はしゃがれ
7月のとかげ
波にのまれるときも 性悪
ほかに持ち合わせがないからといって
一枚の紙をかぶせた
すぐ逃げた
はやかった
朝はいつもおそろしく
とかげはいつもおそろしく
軽やかに 声もあげずに
あちらを向いて
生き返る
わけがわからないよ、わけが わからないな
と思うけれど それを言ったら、すごく負けなような気がして
そういう、負けなような 高貴さがあるよ
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