■批評祭参加作品■ 誰も知らない/いとう
後半は、責任について。
君が感じたその重荷は、母親が感じていたものと同義だ。
逃げたとすれば、母親と同じ罪を、君は背負っている。
そして、監督としては提起も含めての作品なのだろう。
それは成功している。
当事者自身は(比較対象を持たないので)客観性を持ち得ないが、
その客観性を作品からは受け取れる。
逆に言えば、その客観性を持つことができるのは、
知らないのか、
知っていてなお、正視できるのか。
どちらか。
しかし、知り合った女子高校生(?)が援助交際で得た金を受け取らなかったシーンに、
「あ、知らないのだな」と、感じる。あの状況で、そんな余裕
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