■批評祭不参加作品■ノン・レトリックより■この文章は古いから祭には不参加!/佐々宝砂
 
作者は何が言いたいのでしょう」という設問があって、その作者自身が模範解答とはえらく違う答を書いた、なんて笑い話があったけれども、それは案外事実なんだろと思う。とてつもないナンセンスで意味もへったくれもありゃしないよん♪というつもりで書いた作品が、もう恐ろしいほどの人生の暗黒を感じさせる、なんてこともよくあるんである。このことは忘れててもいいけどね。

誤解をまねかないように言っておくと、「このゆび」のテーマと、今私が問題にしているテーマとは別物である。「このゆび」で言うところのテーマは作者が選び取る「題材」で、私が言ってるテーマは作者に関係なく作品が内包する「主題」なんだ。たとえば失恋して哀し
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(6)