■批評祭不参加作品■ノン・レトリックより■この文章は古いから祭には不参加!/佐々宝砂
 
哀しいとする。これは「題材」に過ぎない。子供を亡くして悲しい。腕に蝿がとまった。アメリカでテロが起きた。お金をひろって嬉しい。猫が鳴いた。眠い。夕飯はラーメンだった。以上、どれもこれも「題材」に過ぎない。そして題材に貴賤はない。建前でなく、事実上、ない。涎とウンコと鼻クソからでも至高の美は生まれるのだし、無私の愛とて書き方ひとつで醜悪になるのだから。

実は、老人クラブの面々が持っているテーマは、この「題材」の方なのである。「主題」と「題材」はしばしば混同される。この混同がネット詩における諸処の問題を引き起こすひとつの原因だ、と私は考えている。話はとてもややこしい。

んなわけで(全然「ん
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   グループ"第2回批評祭参加作品"
   Point(6)