「名」馬列伝(4) ツキノイチバン/角田寿星
ー。鞍上は1ヶ月前にデビューしたばかりの新人、小安和也だったが、能力試験はD1000mを持ったままで25馬身ぶっちぎり。
その後も、ろくな調教が出来ないにもかかわらず、小安騎手を背に楽勝が続く。道中は馬なりのまま、直線でゴーサインを出すだけで、追うこともしなかった、いや出来なかった。
レースの後は、故障した左前肢が必ず腫れ上がり、動くこともできず、肢を地面に着けることさえままならなかったという。常に脚元と相談しながらの発走だった。
休み休み使いながら、3歳4歳を4戦づつ、8戦8勝。見た目には馬なりの圧勝の連続だった。この頃から期待の素質馬として、彼の名が知られるようになっていく。佐々木
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