面接/虹村 凌
 
です…」
 よく言われますよ、モテそうですってね。実際、そんな事は無いんですよ、と言いそうになるのを必死で堪えて、大きくセブンスターを吸い込む。彼女が放置したセブンスターは、灰皿の上でゆっくりと灰色になっていく。
「あまり、自分じゃわからないんです」
 俺はブレンドを少し、流し込んだ。唇が乾燥してきている。そして眠い。緊張すると眠くなる性質なので、今、非常に眠い。申し訳無いが、寝てしまいたい。大体、前に俺が告白した時も、半分眠りそうになっていたくらいなのだが、誰もこんな事は信じてくれない。
「あの…」
「はい」
「あの、私と付き合っていただけませんか?」
 出た。もう駄
[次のページ]
  グループ"面接"
   Point(4)