面接/虹村 凌
 
ティングゲームよりも綺麗な動きで、弾幕みたいな人間達をそれぞれが避けながら、歩いていると、いつも思う。その人ごみの中を、彼女と並んで歩く。相変わらず無言である。時折、他の人にぶつからぬように、前後して位置をずらす。普段、歩くペースは早い方だと言われているので、少しゆっくり目に歩いている。色々と、考える時間も欲しい。

 駅前の喫茶店は、あまり人が入っていなかった。この時間はこんなものかも知れない。俺は店員に二人だという事を告げると、階段を上がって二階の隅の席に彼女を通した。別段、何がある訳でもないが、この店で珈琲を飲む時は、ここで飲む事が多い。今日も、偶然にこの席が空いていただけだ。
 
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