面接(3)/虹村 凌
一時間くらいで、どんどん好きになってます」
「私の事を、ですか?」
「そうです」
何て呼んでいいのか、わからなかった。
「だったら、いいじゃないですか」
「でも、怖いんです」
「私が、ですか?」
「女の子が、です」
「それは、やっぱり私も含まれてますよね?」
「…はい」
「…」
最後の彼女の声が、本当に悲しそうな声で、申し訳なくなってくる。
「あの」
「…はい」
あまりにも力の無い答えだったのだろう、彼女が一瞬、身を乗り出してきたのが、伏せた俺の目の視界の隅の方に見えた。
「幸せに、なりたくないですか?」
幸せ、と言うざっくり
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