面接(3)/虹村 凌
眠い。
どうやって辿り着いたのか、ビジネス街のど真ん中にある空きスペースに辿り着いた。摩天楼に囲まれて、小さな月が顔を出している。勿論、星なんざ見えない。地球上じゃ4等星までしか見えないとか言うが、一等星もままならないのが、この都会の空である。
しかし、俺はよそから来た人に、この街の空の事をとやかく言われるのが嫌いだ。四角いだの、濁ってるだの、汚いだの、星が見えないだの、のっぺりしてるだのと、いわゆる田舎から来た人間は言いたい放題であるが、冗談じゃない。これが俺が見て育った空なのだから、そんなに全力で否定されて、いい気分の訳がない。
そんな事を考えながら、空いているベンチに座
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