アクアダイバー/モリマサ公
ものが奪われついばまれ
「わたしがいないとこいつだめなんだ」みたいにしてつがう手や足
よこたわる砂糖まみれのやさしさのかたまり状態がぶよぶよしている
そんなふうにさみしさはなんとなくどこかへまぎれていく
アスパルテームみたいなノンカロリーの愛情がママから子供たちへ
どんどん注ぎ込まれていく世界中の先進国で
屋根のある家にねむる武器商人の家族が聞くタタタという音
妹にかけてやる毛布の一枚もここにはない
ひとかけらのパンもない
一滴の水もない
小さくなっていく産声
そういうふうにしてわれわれは無感動になっていく
動物である事をやめたいなんておこがましさで
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