沈黙の内側、ダイヤグラムは途切れたものばかりで体裁を整えている(1)/ホロウ・シカエルボク
 

膿んだ時間の曼荼羅に眼を凝らしてまだくたばってはいない言葉を探した。
腐臭は凄まじく、字面に少し触れるだけでおぞましく伸びる粘度の高い糸が指先にまとわりついた。顔をしかめることが何度目かの輪転で当然の範疇に分類される…薄暗い部屋の中では確かな判別など到底つけられるべくも無いのに。

曼荼羅に背を向けると窓がある。あの堅牢な融点の向こう側にはおそらく真実味に欠ける間の抜けた夜が足を伸ばしているのだ―腐肉の念が鮮やかに変異したものが背中に覆い被さろうと目論んでいるのを感じて振り返ると、そこには一層腐敗を増した文脈どもが奇妙な振幅を繰り返して、あれはもしかしたら呼吸しているのだろうか?腐敗の呼
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