連作「歌う川」より その4/岡部淳太郎
て
隕石は目醒めていて
それらは競い合って
人の記憶の水面を目指していて
時は流れていて
惑星は呼吸していて
それらに囲まれて人は
自らの生を日々確かめていて
祈る人は歌っていて
川は歌っていて
その後ろで遠いふところは
基本的なリズムを刻みつづけている
三
祈る人は歩いている歩いているうちに
あっという間に朝は夜に身を投げ
祈る人は一日の終りを眺める
今日もまたいつもと同じ
ひとつの環が閉じて
つぎの瞬間には
またひとつ
新しい
環
が開く
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