遺書
もも うさぎ

ちょっと遠くまで 一人旅してきます

行き先はブルゴーニュ地方 はじめて行きます

街の真ん中にある ノートルダム聖堂の

ケルト信仰と錬金術に関係があるって噂の 漆黒のマリア像に

ちょっとキスしてこよっかな、と 思い立って




か弱い あ、 可愛い てへ 女の子の一人旅なので

もしかしたら 何かあって 


死んじゃうかもしれないので




先に 書いておきますから

いろいろ、書いておきますから

遺産はないです なにぶん 学生ですから

部屋のピンクのふわふわの小物たちは あなたに全部あげる

あ、いらない? あ、そう・・・。


あたしは よく考えたら なんにも持ってないから 

あなたに残せるものはなにもないけれど、


あたしの部屋のどこかに すべての記録を残した日記の

アドレスが隠してあります

しかも鍵つき日記なのです

パスワードは なぞなぞ にしてみました


わかるかなーーーー



もしわからなくたって 教えてあげられないのよ?

一生懸命 頑張って考えてね



あなたは すべてを 目の当たりにできるから

残りの人生をずっと あったかい気持ちで過ごしてもらえるくらいの 
                   
  想いは 残していく



それから


あの坂を昇って

街灯を頼りに いつかの薔薇を探して


あなたに微笑む 薔薇を探して そしたら

その薔薇が あたしだから




あたしの灰をちょっとだけ 撒いてください


それでおしまい


ありがとう

助かった 助かった



これで安心して

行ってこられます





火曜日の夜には帰ります






・・・すぐだねぇ。












自由詩 遺書 Copyright もも うさぎ 2006-11-27 09:57:48
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