園芸家には観客が必要だ(1)
鏡文字

ベティの口から
花がこぼれる
一語につき一つずつ
時には真珠や珊瑚も混じる
俺はこの女と結婚する

できるだけ養生して
よく陽にあたり
水薬を嫌がらないことが肝心だよ
菫、アネモネ、矢車草
それぞれには時期がある

ベティ、小さな花で
俺を埋めてくれ
俺の腹の上で マグァンプKを食べながら
お妃さまのお話をしてくれよ
淡い香りの野の花が
生れるところを見たいんだ

俺はいろんなところに行って
今ではこんな体だが
ベティ、お前がそうして
花を湧き立たせながら
立ったり座ったりしているのが
そうしているのを見るのが
何よりの生きる希望だ
ベティ、お伽話のような娘。


自由詩 園芸家には観客が必要だ(1) Copyright 鏡文字 2004-03-22 00:46:20
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