明日の廃墟
遊羽
月が沈む
呼吸を止めて惰性で滑り降りる
しんとした
虚空の直中
廃墟の階段で
草が揺れる
タールの空に
湿った息づかいが漂い
密度の濃い時間が
ただ明日へと延びていく
三つほど数え
石を投げ入れた途端
空間のバランスは崩れ
緊張の時間が再び訪れる
月が沈んだ
何も言葉を残さず
しんとした
虚空の直中
菩提にも似た和らぎが
緊張の合間に漂う
廃墟の階段で
草 揺れる
明日への時間が
芽生え始める
タールの空の下
#題名だけのスレ7 #324 からお題をいただきました
自由詩
明日の廃墟
Copyright
遊羽
2006-10-25 00:49:43
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