繰り返す
ごまたれ

夜が来れば朝が来なければいいと思う
朝が来れば夜の闇が怖いと思う

人生なんか
笑えるほど身勝手なないものねだりで
そのねだり方が
また醜くて目も当てられやしない

綺麗なものが欲しいと
泣きながら願って
また壊れやすいものしか傍に置けないと嘆く

人生はずっと
わざとらしく大声で
手に入らないものを欲しがり続けるんだ

泣く理由も
立ち上がれない言い訳も
消えない傷も
忘れられない思い出も

棚に並べては
憎くなってすべて投げ捨てて
しばらくして
やっぱり悲しくなって
うなだれながら元に戻す

何回も何回も
繰り返して
その手が疲れ果てても
呪われたように繰り返していく

嫌いな朝が来ても
怖い闇が訪れても
その手は
何回も繰り返すんだ


自由詩 繰り返す Copyright ごまたれ 2006-10-24 18:53:05
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