追憶レンジ

瞬間冷凍したらどれくらいまで美味しく頂けるか、と考えてみたものの。
一体いつなら解凍レンジすんだろうか、なんて疑問さえ。
浮かんでは、ぽつりポツリ指先で丸め直した膜をっている。
たった一瞬コメ粒が膨らんだ時を逃せばぱらりと収まることなどないのだ、と。
膨らめたものを焼いてしまえば、役を終えて消えていくも、残り香を。
一息つくたびに呼応し続けている。
望んでも望まなくても(それは、本当は望んでいるのかも、わからない。)ワンタッチで解凍されるのだ。
眼を閉じても永遠に繰り為される瞬間冷凍運動と。


自由詩 追憶レンジ Copyright  2006-10-17 23:39:37
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