凪
木立 悟
時間が
外から来る光を
横になりながら見つめている
花は雪
雪は花
晴れた日
道は海へつづく
ずっと空のままでいる川
とどろきの向かうほうへ
雪は昇り
落ちてゆく
白い息を破りつづける
まとわりつくものは離れない
光が音に混じる色
かたちがかたちに揺れる色
水のなかに沈む自画像
寒さは虹でできている
花のかけら
花のにおい
流れへ流れへ飛んでゆく
しんとした青
しんとした白
遠く海沿いに灯る泡
空の鏡と地の鏡の間に分かれる
数え切れない季節の声
捉え切れない光の碧を歩いてゆく
自由詩
凪
Copyright
木立 悟
2004-03-17 06:34:31