手放すほど詩は近くになくて
umineko

児玉あゆみさんって、知ってる方も多いんじゃないだろうか。ポエトリーリーディングではかなり有名で、ベンズで優勝とか、詩のボクシング関東大会で優勝(だったかな)とか。NHKの番組「真剣十代しゃべり場スペシャル」に出てたのが、この人。自分は面識はないんですけど、うわーすげえって、それを見ていた。

ブログもあるんだけど、そこはちょっと前から止まっていて。でね、そこに書いてあるのはさ。

「しばらく詩から離れようと思うんです」、って。

意味とか真意とか、それは知らないし。もう「新生・児玉あゆみ」がすごく活動していたら、それはそれでいいんだけどさ。

ただ、彼女は一瞬でもそう思ったわけでしょう?そこがすごい。
そこまで愛していたんだ。

あんまり、思ったことないんだよね。詩を手放すとかどうとかって。そりゃ書けなくなったらしょうがないやって、そんなふうに思ってる。でも、それは「詩」の神様から見放されただけだ。自分からじゃない。

彼女がさ。真剣に詩を愛し詩から愛されていたさまがよくわかる。
じゃあ自分は?って問われた時に。私はただ、うつむくだけだ。

詩から離れなくちゃいけないって。私に思える日は来るのだろうか。そもそも私は、「詩」から愛されているのだろうか。ただ「詩」のかたちを借りて、片想いをつづってるだけかもしれないな。

「詩」から愛されてはじめて、私に選択権が来る。それまで長い徐行が続く。これがずーっと徐行だったら、ちょっとやだなあって、少し思う。

でもさ。こんな声も聞こえくる。

(アートはみんな、片想いだよ)、と。
 
 
 



散文(批評随筆小説等) 手放すほど詩は近くになくて Copyright umineko 2006-09-30 23:45:59
notebook Home 戻る  過去 未来