デート
馬野ミキ


今日が何月何日だか分かんなくなっちゃったって?
自分の存在理由が分かんなくなっちゃったって?
いいよそのままで、
俺も忘れた
いいよ行こう薄着で、 行こう、
海へ。

春の匂いがする?
きゃははっ!俺にはもう夏が見えるぜ
真夏の海が
ビキニになったコギャルたちが
ラピュタを抱くあの入道雲が
新宿アルタ前の喧騒が
蝉共の声と、
ラジオから 流れる、
甲子園、

徳島商業 七回表の攻撃 二死、一三塁 
バッターは五番ライト西澤 五番ライト西澤-

西ヤンちの、

末っ子だよ

バイトの昼休み 西川口駅前の定食屋で 鯖味噌定食を食った後三杯目のお冷を利き腕で掴む俺は 西ヤンお前の子孫がホームランを打ったならもしもホームランを放ったなら俺は、、、、



今日から、俺は、



『ミキ君、何一人で妄想飛ばしんの?』



「ん、ああ、                              夏だよ夏、                                                         ほら」


ミュールを脱ぎ捨てた彼女が 両手でスカートを持ち上げて海に足をつけている
うみねこと
鳩と
烏が
三羽並んで 飛んでいる
ギャグみてーだな
でも、 REALか、 これが。
二月の潮風がワッーって叫んで
彼女の髪をBUCK-TICKみたいにした。


自由詩 デート Copyright 馬野ミキ 2004-03-13 22:46:32
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