港町ろきしい★チャンピオンズ
角田寿星


かわいいウェイトレスが
おれの投げだした脚につまずき
仔犬のような目で「もうしわけありません」をくり返す
こんなところにまで
潜在的な暴力の根がはびこっていたのか

びくびくしちゃいけないよ スウィースー
もっと背すじを伸ばしてほら ついでに
スカートはもすこしタイトなほうがいいな

おれは歩く
視線は
斜め上方15度プラスマイナス2度をキープ
うっかり目をあわせちゃいけないよもしそいつが猿だったなら
あるいは冥王星がえりのながれ者で
この町に溶けるためにやって来ただけとしたら
おれはどんなに手を汚しても
他人からはいい人と呼ばれ続けたいんだ

いや正確には
クサい飯を食うと
涙がとまらないんだ
オフクロの味だったから

おれはまだ負けちゃいない
いかなる権力にもことばにも屈しない
歩きタバコは2年前にやめたし
シルバーシートには座らねえ
生意気なガキを殴ったりとかとんでもない
戦争はイクナイと真顔でいう
さて
旧友でもさがしに出かけようか
ああまぶしい まぶしいぜ


自由詩 港町ろきしい★チャンピオンズ Copyright 角田寿星 2004-03-13 11:51:22
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