雨の日の上り坂
ぽえむ君
前から雨が吹いてくる
上り坂
秋はまだ始まったばかりだというのに
傘を持つ手が冷たくて
両手で持つというよりも
両手を温めている
足元を見ながら進む
雨の上り坂
流れてきたのは
羽の破れたトンボ
哀れな姿を見つつも
上らなければならない
雨の上り坂
上れば上るほど
雨と風が強くなる
背中にトンボが残っている
それでもようやく上りきり
あとは家に向かうのみ
背中でトンボが泣いている
雨に打たれて
背中でトンボが泣いている
自由詩
雨の日の上り坂
Copyright
ぽえむ君
2006-09-13 14:21:26
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