二人のリコーダーがドナドナを奏でるように
yozo

せーの。で言ったアナタの答えが
アタシの欲しいモノじゃ無くても
遠くに居るから大丈夫
あはは。笑うと胸の奥がちょっと湿る
大丈夫。電話だから
見えなくてヨカッタて、溜息の時のが
アタシ少しいい顔をするよ
うそ嘘、ほんと大丈夫だってば
声は好きだよ 前から言ってるものね
耳朶がすごく熱く痒くなるのよ
バカみたい


  二人の


オマエの寝息が
掠れ 捩れ 響き 轟きだして何年だっけな
朝飯と夕飯で同じ話を2度聞いたよ
楽しそうに喋るのはいつまでも変わらない
賑やかでいいじゃないか
ただ
疲れてるんだ
あまり笑えなくても
そう悲しまないでくれないか
ほら子供まで黙り込むだろう


  二人の


いつまでもネ一緒居られるといいネって
それが不安の代わりに口を突くんだよネ
きっと向こうも同じだと思うワ
だってホラ普通じゃないシ
普通が何かとか普通が幸せかなんて
考えるのも意味ないと思うしネ
とにかくあったかいの
もーそれだけでいーやーてゆーか うン


  二人の



  息を吹けば簡単に鳴った
  寂しかろうが楽しかろうが
  指を絡めて音譜を追った
  胸の奥がつぅんと軋んだ
  隣の子はフラットを得意げに吹いた
  歌詞が付くとヘビーだよねぇ
  女の子達は物知り顔が好きだ
  男の子はチャンバラのが好き
  先生に随分怒られた
  授業の最後には全員で吹いた
  下手も上手も吹く真似も口笛も
  あの中にキミは居ただろうか
  ある晴れた昼下がり
  ボクの音は聞こえただろうか


自由詩 二人のリコーダーがドナドナを奏でるように Copyright yozo 2004-03-09 23:44:10
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