回春々にあらず
黒川排除 (oldsoup)

どうしてここにいるのか?
(発音はゆるやかに)
「もっと」
『表現される苦しさ』
<遊び心のままに>
〜モノローグ〜
おもちゃ箱をひっくり返して戻さない子供のように、ペットの毛は伸び放題、カーペットも広がり放題、数を数える指が足りないのに足りない指を数で補う事はできない、おもちゃ箱に入っていた、入っているおもちゃ箱、もはや入っているおもちゃ箱、すべてのおもちゃ箱に入っている指は伸び放題。
外国、ころす、外国、ころす

はなびらをちぎっている。

ころす 外国 ころす 外国

花びらを千切るように指を

1、
犬を
2、
見ると
3、
吐き気が
4、
します。。。。。。。
。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。


人魚姫はしんだ
朝食に魚を
夢にドラマを
晴天に霹靂を
雨の代わりに
泡が降ればいい
シャボン玉のような
ものでなく
かにやひとが吹くような
細かくて粘着性の
雪のように積もって
白くはかない
魚はまずい

指が無くて、数える。家は古い。雨が漏ってくる。家はバケツとバケツであふれバケツ。指が無くて、数える。それは雨音。バケツに落ちる水滴の音。指が無くて、数える。声を出して、数える。数えるたびに犬が吠える。外で犬が吠える。いち、わん、にぃ、わん。段々、嫌いになる。指が無くて、数える、声に出して。バケツの中に魚が生きている。泳いでいる。食べかけの、魚。

千切っている!

ママが来るぞ!

隠せ!

雨の日はよく思ったものです後ろめたい目つきの向こう側でおとなしくしてるつもりの子羊の肖像に慰めを乞いながら撫でて愛でて愛撫して発情させてやろうとね泡を吐きながら何か面妖な言語でもって周囲の人間を呪いながら雑草を伸ばす事に一生のすべての時間を使いたいあるいはドアが悲鳴を上げるところのちょうつがいの錆びに憎しみという意味のギリシア語を見て発狂しても構わないんだ殺して欲しい冷たい檻に閉じ込めて欲しいそして出られなくって困っているところをすくい上げてウッドチッパーで粉々に分解して欲しいセメントも流し込んで欲しい生きた動物すべてに流し込んでグリーンピースからリンチされたいむやみやたらに捕鯨もしてやろうかと思うこの頃ですが現世の皆様いかがお過ごしですか

隠した場所さえ隠してしまった事に気付く──その手で?

どうしてここにいるのか?
    ここってどこのことだ?すべては隠されている。


自由詩 回春々にあらず Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2004-03-09 02:40:46
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