白いノート
佐々宝砂

秋の色は白いんだそうで
だから北原のおっちゃんは白秋なんだが
それからどうでもいいんだけど夏は朱色
言うまでもないけど春は青ね
そいでもって冬は黒なわけ
この人生いまきっとまっかっかの朱色に違いないけど
そんなこともまあどうでもよくて
とにかく今日の主題は白い秋
でもいいけどいろんな事情があって
白いノート なんである

畳は青いのがいいし
芝生も青いのがいいらしい
男も女も青いのがいいのかどうか
そこんとこは知らないが
今日はつかれたから
真っ白なやつがいいとおもう
白いノートに描くのはわたしだ
でたらめにやたらに汚してやるか
きちょうめんに端正に描きこむか
そんなもんはきまぐれ
出来上がったもののことなんか知らんよ



  秋深む白きノートを買ひに行く


自由詩 白いノート Copyright 佐々宝砂 2006-09-01 18:18:34
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